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マーチ・スカイブルー・ドリーム TP解説 その1

2016課題曲Ⅰマーチ・ブルースカイ・ドリームのトランペットについて数回にわたって解説します。よろしくお願いします!

課題曲Ⅲはこちら

課題曲Ⅳはこちら

今日は2016課題曲Ⅰ『マーチ・ブルースカイ・ドリーム』の解説とか演奏時の注意を説明するよ。トランペットのね。

トランペットだけなの?

うん。他のパートもできないことないけど、内容スッカスカになるから。ルカちゃんの音色くらいスッカスカになるから。

一言多いわ!

1.調性はヘ長調

この曲の調性は『ヘ長調』だね。ヘ (F) 音を主音とする長調だよ。

どうしてわかるの?

えぇ。。。ここで説明しだすと時間かかるから割愛するよ。とにかくヘ長調なの!

それって演奏に関係ある?

うん。調整にはイ短調とかホ長調とか他にもいろいろあるけど調ごとに「この調性はこういう雰囲気になる」っていう傾向があるんだ。

へぇ~!で?このヘ長調はなんなの?

これがね、感じ方って人それぞれだから絶対これ!っていうのは言えないんだ。だからwikipedidaから拝借!

  1. シャルパンティエは「荒れ狂ったような雰囲気を持つ。」と述べている。
  2. マッテゾンは「この世で最も美しい感情を表現することができる。」と述べている。

荒れ狂った雰囲気で最も美しい感情・・・!?訳が分からん!

ま、まぁ参考までにね!


調性はヘ長調。Fが主音となっています。wikipediaに結構載ってるんですが同じ調性の曲に

・西野カナの「Darling」
・夏川りみの「涙そうそう」
・YUIの「CHE.R.RY」
・Every Little Thingの「fragile」
・NMB48の「オーマイガー!」
・嵐の「瞳の中のGalaxy」
・SMAPの「夜空ノムコウ」

などがあります。元気いっぱいだけどどこか情緒的って感じでしょうか。
ちなみに!Trio(37小節目)からは調性が変わりますので注意!!


2.作曲者から

課題曲のフルスコアには総譜の前に作曲者からの演奏上の注意やメッセージが載せられてるからよく読んで守ろうね。

矢藤学さんはなんて言ってるの?

2016年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲 FULL SCORES p.2より抜粋
どこまでも限りなく広がる青空の彼方へ、ひと夏の夢をのせた皆さんのハーモニーが、高らかに響き渡りますように――。
 演奏にあたり、作曲者から2点申し上げます。1つ目は「テンポは終始一貫した設定であること」です。発想記号(Giocoso Cantabile Brillante Animato Grandioso)は曲想のためのもので、速度に関する意図はありません。最後まで推進力を失わないようにしてください。2つ目は「場面ごとに表情をつけること」です。楽譜に書かれていない「デュナーミク」「スタッカート」「テヌート」「アクセント」など、演奏する上で自然に発生する表現を大切にしてください。むしろそれらを奏者に託すため、楽譜には最小限のことしか書いていません。
 楽譜から感じられることを、創意工夫をもって、自由に表現をしていただければと思います。

だってさ。ルカちゃん気付いてた?この曲、トランペットの楽譜にはアクセントがある一小節にしか書かれていないの。

ふぇ!そうなんだ。全然アーティキュレーション書いてないな~とは思ってたけど。。。

あと『テンポは終始一貫したもの設定であること』ってすごく核心をついてるね。これができてないバンドは本当に多いから。

メトロノームを使って体がテンポを覚えるまで練習しなきゃっ♪

コンクールが終わるころには一定のテンポでしか演奏できないロボットと化してるよきっと。

ビビビ・・・ワタシハ・・・ルカ・・・


作曲者の矢藤学さんからのメッセージは

・テンポは終始一貫したもの設定であること
・場面ごとに表情をつけること


の2つです。しっかり守ってよぉ~く研究して素敵な演奏ができるように頑張ってください!


3.冒頭~

冒頭だよ。ルカちゃんこの↓楽譜を見てみてどう?

これはね、なかなかくせ者だよ。Cってこもりやすいしド頭から16音符だから音がつぶれちゃいそう。。。

そうだね。このメロディはサックスやユーフォもやってるけど、トランペットは特に輪郭のはっきりした音色をしてるからリードしていくように心がけたいね。

どんなところに注意したらいいかなぁ?いい練習法とかある?

みんなで音形と音程を合わせたいね。モヤモヤっとした始まりになると12分間のいいスタートが切れないからここはくどいくらい練習してよ。

基礎練習にこういう↓のを取り入れてみようかな。

Fdurのスケールを冒頭のリズムでやってみるっていうやつだね。曲に出てくるリズムを基礎練習に取り入れるって言うのは賢い方法だから全長調/短調でやれるといいね。そしたら他の調性の曲で同じパターンがきてもすぐに対応できるから。

コンクールまで毎日やってたら完璧になっちゃうよ~( *´艸`)ウププ

ちゃんとゆっくりのテンポからやるんだよ。
あとは音程も注意して!

↑こんな風に音程を確認しやすいリズムに変えてゆっくりのテンポで一つずつ和音を合わせてみるよ。

譜例のテヌートも大事だね。こういう練習をするときはもともとの楽譜は一旦忘れて練習・確認したいことに特化した楽譜にしよう。

後の2小節も同じ感じ?。

うん。Aの2拍前の音はオープニングの締めだからダレることのないように!

はあぁい!


目的別にリズムやテンポを変えて何度も練習しましょう。譜例に出したように、
・みんなで音程を確認したい場合はゆっくりのテンポでテヌートをつけてみる
・個人練習でタッタタのリズムを極めたい場合は基礎練習に取り入れる
・音程がなかなか合わない場合は楽器の前に歌で合わせてみる

などなど、いろんなアプローチで攻略しましょう。


4.演奏時の注意① よく出てくるリズム

この曲ってこの↓リズムが象徴的に使われてるよね。

そうそう!随所に出てくるし聞き終わった後にこのリズムが頭に残ってる!

この音の吹き方がみんなで不揃いだったり曖昧だと全体的にすごくぼやけた演奏になっちゃう。

ちゃんとしなきゃ!ちゃんとしなきゃ!音形を合わせる練習ってどんなのがあるの?

ん~メンバーで一人ずつ順番に吹いて合わせていくとかなにか歌詞を当ててみるとかだね。

基準となる人がいないとだめね。

うん。楽譜通り正確にっていうがセオリーだけど、この付点8分を気持ち長めにして16分を少し詰めて吹いたりすると個性が出るね。

いろいろ吹いてみるぞぉ!


この曲の象徴的なリズムが冒頭から出てきます。みんなでそろえましょう。


5.演奏時の注意② Cの音程

レ(C)の音程なんだけど、ルカちゃんCを吹く時ってなにか心がけてる?

え?心がけるって?「いい音だそう!」とか?

それもそうだけど、音程だよ!トランペットは↑この赤丸の音は普通に吹くと高くなりやすいんだよ。楽器の構造上ね。

えぇ!?そうなの!?

うん。だから3番管を少し抜いて吹いてね。

そんなの急に言われてもピンと来ないけど。。。

これはね、トランペットやってて知らなかったらまぁまぁ恥ずかしいことだよ。アニメの『響け!ユーフォニウム』あるじゃん?あれのオープニングでトランペットのでかりぼん先輩が吹いてるシーンあるけど、あのでかりぼん先輩さえもCを吹くときは3番管抜いてるからね。

マジか・・・!チェックしてみる!


ちょっと説明を端折りましたが楽器や個人によって高くなりやすい音・低くなりやすい音というのは必ず存在します。なので、日々の練習で自分の癖をチェックしておきましょう。音程がどちらかにぶれる音はそうならないように工夫する必要があります。1番管/3番管を抜いたり変え指を使ったり。綺麗な演奏を心がけましょう。


6.おわりに

ここの解説、2016/6/13に加筆修正したよ。

初めてだからなんか全体的にたどたどしいよね。

ね。今日は冒頭を紹介したけど、次はもう少しサクサク行くよ。

おー!!


冒頭の4小節はあなたのバンドの12分間の幕開けを意味します。お客さんの心をガシッとつかんで離さない音楽にしてください。いい演奏は最初の一音で本当に引き込まれます。日々の練習は地味なものですがじっくりゆっくりいいものを作れるように頑張りましょう。

続きはこちら→【トランペット】2016課Ⅰマーチ・ブルースカイ・ドリーム 解説②


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