現場で困らない程度の和音知識
ハーモニーが揃ってないとリズムとメロディーがいくら完璧でも台無しです。この記事を読んでハーモニーの最初の一歩を知って音楽の真髄に触れてみましょう!
ちょっとちょっと!ルカちゃん!さっきから全然周りと音程が合ってないよ!
あれ?そう?結構ピッチリ合ってると思うんだけど?ピッチだけに。
縦は合ってるけど、横が全然だよ。ちゃんとハーモニーとか意識してるの?
してるしてる!しまくってる!
自信満々に言わないでよ。さてはハーモニーとか音程のこと、わかってないんじゃない?
ぐっ。(バレたか)
1.三和音の基本を理解しよう
よく『ハモる』とか言うけどその正体は和音なんだ。ギターなんかではコードとも言うけど、「ハーモニー」とか「和音」とか「コード」といえば複数の音でハモることだと思えばいいよ。
まずはこれ↓を見て
ドミソの和音ね。
そうそう。ドとミとソだからドミソの和音。3つの音で出来てるから三和音(さんわおん)だよ。それぞれに呼び名があるけど、わかる?
下から、第一音、第三音、第五音だよね?
せいかーい。第一音のことは他に根音(こんおん)やルート、ベースと呼ばれることもあるよ。和音を構成する上での根っこ的な役割だから根音だね。こうやって音が3つ均等に並んでたら「あ、三和音だ」って思ってくれたらいいよ。
たしかさ、三和音って4つくらい種類がなかったっけ?
あるんだけどね、ここでそれを言いだしたら混乱するから、今はさっきの譜例みたいに音が均等に3つ並んでたら三和音なんだっていう程度の理解でいいの。
はぁーい!
譜例のドミソみたいな音の並びを三和音といいます。これは「レファラ」でも「ファラド」でも「ラドミ」でも同じく三和音です。
音が違うことで和音の響きから感じる印象が違うこともありますが、三和音には変わりありません。「ハーモニーには三和音というものがあるんだな」程度の理解で大丈夫です。
2.自分が第何音なのかを知る方法
とりあえず3つ並んでたら三和音っていうのはわかったけど、その程度じゃ現場では使えないよ。だいたい自分が第何音なのかがわかんない時だってあるじゃん。これ↓みたいに、均等に音が並んでなかったらさ。
そうだね、ここはお団子作戦出しますか。音は変えずにオクターブを変えてみて、音符をお団子状に並べてみるんだ。こんな↓風に。これだったらさっきみたいに下から第一音、第三音、第五音って数えるだけになるでしょ?
なるほど!これなら自分が第何音なのか知ることが出来るわ!
自分が第何音なのかを知るにはまず3つの音をお団子状に並べ替えてみましょう。均等に並べられたらあとは下から数えるだけです。慣れたらイチイチこんな風に考えなくてもパッとわかるようになるので、数をこなしていろんなパターンに出会いましょう!
3.現場での使い方
自分が第何音なのかは分かったけど、この知識をどうやって練習に活かせばいいの?
うーん。。。あくまで例えばだけど、これ↓をみてみて。
たしかマーチなんかでトロンボーンが吹いてる楽譜よね?
うん。和音の練習をするときはこの楽譜をそのまま何度もさらってもあまり意味はないんだ。ひとつひとつの和音を取り出してしっかりハーモニーを奏でる練習が必要だよ。
どうやるの?
たとえば、最初の音はソシレ(G,B♭,D)の和音だね。三和音の練習では第一音→第五音→第三音の順番で音を重ねるんだ。だからまずは楽譜に示されたリズムは無視してロングトーンでソ、レ、シの順に吹いてみて。
まずは楽譜どおりの短い音じゃなくて長い音でどんな響きがしてるのか確認するのね!
そうそう。ソとレでしっかりとハモったらそっと第三音のシを入れてあげるんだ。綺麗にハモるとね、なんとも言えない気持ちになるよ。「ああ、これが音楽の真髄か。」ってね。
言うじゃない。でもさでもさ、いきなり楽器でやってちゃんと合うかな?
そうだよね。今まであまり意識してこなかったのにいきなりは難しいよね。そんなときは声で歌ってみるんだよ。
マーーーーーーーー♪
なるほど!それでひとつひとつ和音を確認できたら楽譜どおりに吹いてみるの?
それでもいいし、もう少し段階を踏んでこんな↓楽譜にアレンジして慎重にいってみるのもアリだよ。
にゃるほど!楽譜にとらわれてちゃいけないわね!一部分を取り出したり、自分たちでアレンジしたりして、それで楽譜どおりに吹いたときにしっかりといい演奏ができるようにすればいいのね!
そうそう。こんなの↓楽譜自体はなんてことないからね。いかにして音程や音の形を揃えて、メロディに気持ちよく歌わせてあげるかがポイントだよ。
どうやって楽譜にアプローチするか、練習のテクニックも結構重要だにゃ。
楽曲に出てくる和音はひとつずつ響きを確認してみましょう。その曲を深く理解することになりますし、メロティーパートが演奏しやすい土台やバックを作ることにもなります。いくらメロディーが華やかに歌っていても伴奏がハーモニーが合っていなかったら台無しになるので、しつこくしつこく何度もハーモニーを合わせるようにしてみてください。
普段のパート練習や基礎合奏で慣れておくと、楽曲に出てきた時にも対応しやすいのでハーモニーの練習を充実させることをオススメします。最初は歌うことから始めてみましょう!
4.おわりに
とりあえず最低限の部分だけ説明したけど、もしかしたら誤解しちゃう部分もあるかもしんない。
第七音とか?
そうそう。三和音の種類についてもしっかり説明しなきゃね。
はぁーい!
ハーモニーはとにかくハモってる状態を心地よく思い、楽しむことが重要です。今回学んだ最低限の知識をもってパートで合わせてみましょう。慎重に音程が合っていることを確認しながら練習を進めると上達します。
音程が合っていないのにさらに音を重ねるような雑な練習をしていてはいつまでたっても変わりません。うまくいかないときは少人数で始める等の工夫をしつつ、和音をモノにしていきましょう!