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ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より TP解説 その1

2016課題曲ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より のトランペットを数回にわたって解説します。とってもやりがいのある曲ですね!よろしくお願いします!

課題曲Ⅲの解説をするよ。トランペットのね。

えい!えい!おー!

お、ルカちゃんやる気満々じゃん。

英雄だからね。私、この曲吹くときは勇者になるからね!

虹の国と氷の国の物語 あらすじ

まずはこの曲の成り立ちを理解しないと。

うん。作曲者の西村友さんが、とある幼稚園の演劇に協力したことで生まれたんだよね。

そうそう。ということは?

まずは演劇の物語を知らないと!

ということで、「虹の国と氷の国」の物語のあらすじをご紹介するよ。

楽しみぃ~♪

会報吹奏楽 No.200 より2,3ページ作曲者挨拶から引用

あらすじは、『あるところに「虹の国」と「氷の国」の二つの国がありました。何かと言うと張り合ってばかりの両国。ある少年だけが「もっと仲良くしよう!」と言うのですが、「なんだい汚い服を着て。あっちへ行きな!」と誰も聞く耳を持ちません。見るに見かねた魔法使いは試練を与えます。「みんなで協力して悪いドラゴンを倒し "虹の氷" を見つけないと国が滅んでしまうよ」冒険の旅に出る皆ですが、ドラゴンも出てきていよいよピンチ!そこに突然現れたのは "あの" 少年。少年の活躍でドラゴンは逃げていきますが、少年も力尽きて倒れてしまいます。皆が泣いていると、魔法使いが言いました。「さあ、宝箱を開けて虹の氷の滴をこの子に飲ませるのです」目映い光が差すと少年の服は真っ白に変わり、立派な王子様になって元気に立ち上がりました。そして二つの国は仲良くずっと暮らしましたとさ』

これがあらすじだよ。

うう。。。ぐすっ。。。

え!?何で泣くの!?

だってさ、これ。幼稚園児たちが考えて劇をしたんでしょ?それ想像したら泣けてくるよ・・・。

物語の部分だけ引用したけど楽曲作成に至った経緯や背景もちょろっと作曲者から説明書きが載ってるから是非こちらを読んでください。

読んでくだ・・・うぅ。。。

それから、フルスコアに載ってる西村さんからのお言葉もご紹介するよ。よく読んで作曲者の意図をくみ取った演奏をしようね。

2016年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲 FULL SCORE 課題曲Ⅲの表紙裏(作曲者から)より引用

構成も和音もシンプルです。アクセントや強弱、テンポは「絶対的なもの」ではありません。作曲者がその音その音楽に込めた想いを読み、全体を構築する上で設計してください。『F』はフレーズが短くならぬよう、また和音の変化にも表現のチャンスを見つけて下さい。中間部は束の間の平和?慰めの言葉?愛する人の優しい声?『P』での再登場もイメージしてください。『P』は空に駆け上がるようにのびやかに。ここをラクに演奏しておけば、『P』7・8小節目のHrn.や他の仕掛け、9小節目からの全奏感が生きると思います。『R』eroicamenteにはメトロのーム数字を書いていません。解釈の幅を残しました。
 物語「虹の国と氷の国」が基になっていますが、自由な発想でそれぞれ皆さんだけの英雄を創り出して下さい。

はぁーい!創り出しちゃうぞー!

まずはあらすじをご紹介しました。幼稚園の発表会がこの曲が誕生したきっかけなんてなかなか面白い経緯がありますね。それが全国の中高生~大人によって演奏されると思うと胸が熱くなります。ではでは、次章からトランペットの解説に入っていきます。

1~2小節目 冒頭はトランペットが主役!

早速だけど最初の1小節は管楽器トランペットだけなんだよね。

しかもユニゾン(みんな同じ音)だよ!これは絶対に絶対に絶対に外せない!

音を外さないのもだけど音程もしっかり合わせようね。この1小節でお客さんはこの後の12分を聴く心構えが決まるからね。

えぇ。。。じゃあ外しちゃったらもう終わりなの?お客さんは聴いてくれないの?

き、聴くけどね!ちゃんと聴くけどね!?やっぱりいい演奏が聴きたいじゃん!!そういうことだよ。

にゃるほど~♪

(切り替え早っ)で、2小節目は和音だね。ここは綺麗な長3和音だからちゃんと声で音程を取ってから一つずつ響きを確認する練習をしようね。
↓この図の通り、1音、5音、3音だよ。

歌うよ~マ―――――♪♪♪

相変わらずオンチだね~~♪♪♪

コンクールまでには直すよ~~↓

冒頭1小節目はトランペットとクラッシュシンバルだけで曲が始まります。ユニゾンですから、確実に音程、音型、タイの扱い、音色、音の処理、アタック、縦の線といったあらゆることをメンバーで揃えて吹いて下さい。ここは本当に本当にクドイくらい練習しましょう!野球部の連中が聴きすぎて鼻歌歌っちゃうくらい何度も吹きましょう。
2小節目からはトロンボーンも同じリズムで入ってきますから、演奏に齟齬(そご)がないように気を付けて下さい。さらに3小節目にも低音群が同じリズムで入ってきます。
2小節目は4分音符3つの綺麗な和音です。一つずつ音程を合わせた後は1小節目から続けて吹いても音程が狂わないように注意して、アーティキュレーションが揃うようにメンバーで意識してください。3小節目からはさらに曲の開幕へと歩を進めますから3音で推進力を出す、ということも意識してください。

考えることが多いですが、冒険の幕上けが華々しく輝かしいものになるように音色も考えてみて下さい。ホールを突き破るくらいの勢いで吹けるとスカッとします!

3~5小節目 重厚な序奏をリードしましょう

3小節目の1・2拍目はここまでと同じノリでいいよ。

3rdだけ1拍目4分音符だけど3rdも?

うん。2小節目からの音の下降に引き続いて1拍目はE♭で根音だから、自信もって4分音符を吹いたらいいよ。ちなみにここのE♭は他にバスーン、バスクラ、バリトンサックス、ユーフォ、チューバも吹いてるから低音群と同じ性格でTpの1st,2ndを支えるつもりで吹くといいね。

結構同じ音吹いてるパートあるんだ!なんだか安心ね。

2拍目の動きは違うんだけどね。この2拍目に関しては2小節目と同じ吹き方でいいよ。問題は3拍目。

3拍目はAに向かって羽ばたくフレーズのアーフタクトだね!

そうそう、だからここまではアクセントでカリっと吹いてるんだけどここからは序奏の頂点、Aに全員で迎えるようにみんなをリードするつもりで吹こうね。こういう部分でふにゃっとすると4小節目がすごく不自然になっちゃう。

アーフタクトには前後のフレーズをつないだりバトンパスの役割があるからしっかり吹けってことね!

なんか冴えてるね。4,5小節目になんか書いてあるのわかる?

あ、「ben ten」って書いてあるよ。

そうそう、これはTp2nd,3rdと同じ動きをするパートの楽譜にはみんな書いてあるんだけど、
ben = 十分に
ten = 音を保って(tenuto)

の意味だから音価を守って重厚なサウンドを作ってよ。

5小節目のクレッシェンドを効かすには4小節目であまりがんばっちゃダメ?

そうなんだよね、冒頭のアクセントからここまでついつい力みがちになると思うけど、その一方でリラックスした音色っていうところにも気を配ってほしいんだ。
4小節目でそれができてると5小節目のクレッシェンドがより映えてAへの橋渡しがしやすい上にこの後の展開にも期待が高まるって感じだね。

なんだかすごーい。でもさ、ここ、4小節目からAにかけて、1st地味にしんどくない?

これくらいはサクッと吹いてほしいのが本音だけどハイトーンがあまり得意じゃない人にはFの6拍+E♭4拍の伸ばしはしんどいかもね。ただ、ここはどちらかというとバンドをリードするというより和音を構成する一音、くらいの認識でいいから音がある、ということを大事にしてほしいな。変に頑張って音色が強張ったりするのはよしてね。

3~5小節目は冒頭のファンファーレから壮大なストーリーの幕開けを宣言するAへの橋渡しです。3小節目の3拍目からは一気に編成が厚くなるのであまり力まないでリラックスして吹いてください。実際はどうしてもグッと力の入ってしまう場面だと思いますが、心構えとしてはリラックスです。
4小節目はアクセントの指示がなくなりテヌートへと変わるので、音価を十分に保って音楽が膨らんでいく様子を表現しましょう。
このAまでの5小節はどこでブレスをとっても間が空くと不細工になります。一瞬でとるかカンニングブレス(代わり番こにブレスをとる)にしてブレスが音楽的な表現の妨げにならないように気を付けてください。

Aはいよいよ幕開け!開幕の和音を響かせて!

いよいよAだね。トランペットは2小節だけ、しかも1音だけだけどとっても大事な一音だよ。

えーっと・・・E♭、B♭、Gで構成されてる長3和音?

ピンポーン!1stが根音で、2ndが第5音、3rdが第3音のシンプルな和音だね。

ここってトランペットだけじゃないんだね。ほかのパートも同じ和音を作ってる!

そうなんだよ。だからパート練習で合わせた後は合奏でもしっかりとやんなきゃね。

ここで躓いたらなかなか先に進めないな~。

その心配はご無用なんだな~これがっ♪

えぇ!?何か秘策でもあるの?

秘策ってほどでもないけど、こういうところをサラッと通過するために普段から基礎合奏をしてるわけでしょ。今まではおろそかにしてたって人も今ならまだ大丈夫!

あ!なるほど!合奏でわざわざ時間かけなくてもみんなで和音をきれいに合わせる練習が普段からできてたら心配なしだね!

そそそ。あと、Aの1小節目はディミヌネンドついてないから、勝手に盛り下げないでね。Bの行進に向けて落ち着きだすのはAの3小節目や5~6小節目だからね

確かに、なんかやっちゃいそう・・・。気を付けなきゃっ!

Aは単純な和音だけです。キラキラした音で吹きましょう。冒頭から始まるトランペットの役目はここが一旦の終着点です。演奏してみれば一瞬で過ぎ去りますが、音楽はその一瞬の積み重ねです。何度も練習を重ねて次のフレーズへと自然とつなげていけるように意識してください。

おわりに

最初に言うの忘れてたけど、これ読む人はフルスコアを用意してね。

ね!やっぱり他のパートの動きもわかってる方が曲の理解が捗るし楽しいもんね!

ね。なので、まだ持ってない方はこちらから購入手順を踏んでください

「どうしてフルスコア買わなきゃいけないのよ!?プン!」

って人はこちらでフルスコアを購入するメリットを読んでみてください。

ではでは、次回は練習番号Eからだよ~♪楽しみ~♪

今回は冒頭~Aの7小節だけでしたが、結構言いたいことが出てくるもんですね(´・ω・`)。このフレーズを本番までに何度演奏するか、どれだけ精度を高めてくるか、というところが重要なポイントですが、基礎練習が充実していたら特段難しいことはありません。個人、パート、全体での基礎練習を大切にして曲を吹いてもスマートに仕上げられるように工夫をしてみてください☆

続きの解説はこちら!

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