ホール練習でやるべきこと3選
いつもの音楽室と変わらない練習ではもったいないですし本番の演奏も質の低いものになります。やるべきことをやるとともにその後の練習がより良いものになるように参考にしてください。
今日はホール練習だよ、だんだんコンクールの本番が近づいてきたね!
だね!しっかりやんなきゃだよ。
ところで、このホール練習では何をするか分かってる?
ん?ホールでしかできない練習だよ。
ホールでしかできない練習って?
ん?ほら、アレだよアレ!!
1.セッティング・打楽器の配置
ホール練習で絶対に絶対にやらなきゃいけないこと、それはセッティングの決定だね。
セッティングって舞台上での各パートの配置や並び順のことよね?
そうそう。打楽器はひな壇に乗せるのか?、トランペットは2段目?1段目?トロンボーンは?ユーフォは?チューバも乗せたほうがいい?だったらどこのパートを下す?
一気に言わないでよお!そんなに考えないといけないの!?
そうだよ。コンクールでの他校のセッティングを思い出してみてよ。
そういえば・・・!!ホルンがひな壇に乗ってなかったり打楽器が乗ってたり、クラリネットとフルートの位置が私のとことは微妙に違ったりしてたわね。。。
でしょ?そういうのってみんなホール練習であれやこれや試行錯誤してベストなセッティングを考えて本番にもってきてるんだよ。
でもさ・・・セッティングでそんなに聴き映えって変わるの?
出たよ。初心者の意見が。変わるってば。そうじゃなかったらあんなに団体ごとに違わないよ。その辺りの調整は指揮者がやってくれるからあまり意識しないかもしれないけどね。
初心者で悪かったわね!!!
ホール練習はセッティングの調整から始めましょう。もっとも聴き映えがすると判断したセッティングでその後の練習を重ねていくと演奏の完成形もイメージしやすくなります。
だいたい指揮をする先生が審査員席辺りに座ってマイクで指示を飛ばし、部員は席の間を行ったり来たり演奏したり・・・なかなかワクワクする時間ですね♪これによってコンクールの舞台上でどんな景色を見るかが微妙に変わりますから。
打楽器の場合は聴き映えはもちろんですが、奏者の移動のしやすさも考慮せねばなりません。演奏時に無理のないセッティングが出来るようマレットの配置等も含めてホール練習の機会に決定しちゃいましょう。
2.Hrn,Euph,Tubaのベルの向きを決める
トランペットやトロンボーンの直管楽器は客にベル向けて吹くしかないんだけど、ホルンとユーフォ、チューバは訳が違うんだよね。
確かにまっすぐお客さんの方じゃなくて後ろだったり上だったりを向いてるわね。
これもセッティングと同様でベルをどっちに向けるか?っていう微妙な違いで聴こえ方が異なるんだよ。あとミュートを使うパートは付けはずしのシミュレーションもやっておこうね。
音楽ってすごいなぁ。そうやって緻密に綿密に作り上げていくんだね。
そうそう。試行錯誤を重ねてもっともよく響き、最も聴き映えのするポイントを探っていくんだよ。ってかルカちゃんの口から「緻密」とか「綿密」って聞けるとは思わなかった。
バカにしないでよぉ!!
セッティングに続いてベルの向きを決めましょう。たまにホルンだけ前ではなく斜めを向いて座ってる団体を見ますが、あれは斜めを向きたいのではなくベルの向きを考慮しての体勢です。
自分たちのセッティングをやベルの向きを考える参考にもなりますから、他団体の演奏を聴くときにはそういう部分にも注意を払ってみましょう。
3.ベルアップをする箇所
セッティングやベルの向きが決まったらベルアップについても考えておこう。
さっきから金管の話ばっかね。
いやいや、これは違うんだよ。木管もね、アップまではしなくても少し客側にベルを向けて吹くと効果的なこともあるからその辺りも注意してみて。
おお!なるほどね。でも効果的って・・・?
ん~全体でしっかり鳴らしたいところとか盛り上がるところでは木管の人たちが指揮者じゃなくて客を意識した体勢/姿勢になるっていうのは見たことがあるけど。。。ま、ホール練習なんだから実際に鳴らして聴いて考えてみようよ。
打楽器はそういうネタないの?
打楽器の場合は曲中のすべてが対象だよ。叩き方とか、どれくらいで響きを止めるのかもしくは止めないのか、反響板からの距離とか客席から舞台全体を見た時のビジュアル的なところも注意したいね。
ひぇ~!打楽器って大変・・・!
ベルアップをする箇所も決めておきましょう。この工程はセッティングが決まって合奏が始まってから行うことですので、あまり時間をかけることはないと思います。
次章に出てきますが、決まりきらない場合は対象のフレーズについてベルアップしたバージョン/しないバージョンの両方を録っておきましょう。
ベルアップはここぞというところだけにしないと却って逆効果にもなりますからよぉ~く考えて調整してみてください。
4.演奏の録音
最後はやっぱり録音だね。練習の終盤に録音をしてホール練習を通してどれくらい完成形に近づけたかをしっかり確認できるようにしておこう。
でもホール練習の終盤ってみんな疲れ切ってない?そんな状態で録ってもベストなのは取れないと思うけど。。。
それはいいんだよ。これは本番じゃないんだからベストである必要はないよ。もちろんそれに越したことはないけどね。それよりもホール練習前と比べてどれくらい曲が仕上がったか?っていう確認と、本番での演奏をよりイメージできるようにするっていう目的で録るんだよ。
なるほど!それだったらホール練習に来てセッティングとか決める前に一発録っておいた方がよくない?
お!いいこと言うじゃん。そうだね、その方が両方聴き比べてどれくらい良くなったかを知ることが出来るね。
えへへ。録音ってなんだかドキドキするよね。これが残るんだって思うとね。
そうだね、いつもみたいに手抜けないもんね。
コラァ!!!!
録音をして成果の確認と本番のイメージが出来るようにしましょう。大きなホールだったら吊りマイクがあるでしょうから、貸してもらえるかホールの方に事前に確認しておきましょう。
なかったら自前で録音機を用意ですね。自分たちの演奏を客観的に聴くことで新たな気付きがあるものですから、部員全員が聴けるように体制を整えておきましょう。
5.おわりに
ホールの雰囲気ってなんかいいよね。テンション上がるね。
それわかるー。自分たちの貸し切りっていうのがまたいいんだよ。
高いお金払ってるからちゃんと練習して元とらないとね。
急に現実的なこと言わないでよ!
ホール練習でやるべきことを紹介しました。今思えば私が中学校のころはセッティングを考えることも録音をすることもありませんでした。きっとそういう団体は今も全国にゴロゴロあると思います。
しかし、もっともっと音楽を追求することで素敵な演奏に仕上げることができますから、指揮者を筆頭に部員全員一丸となって取り組んでみて下さい!