正しいベルアップ3つのポイント
そこはトランペットとトロンボーン、ベルアップで。
はい!
XX小説目から。せーのっ!
は~今日の合奏も疲れたね~
ちょちょちょちょ!ルカちゃん!なにさっきの!?
え?なにって・・・?ベルアップのこと言ってる?
1.ベルアップとは?
ベルアップっていうのはその名の通り、ベルを上げることだよね。角度は目的に応じてそれぞれだけど、だいたい45~90度(楽器によってまちまち)くらいだよ。トランペットやトロンボーン、ホルンはもちろんのこと、クラリネットやオーボエも必要があればやる奏法だね。
角度や曲中でベルを上げるタイミングがずれると見栄えが悪いからしっかりと打ち合わせておきたいんだよね。目的に応じてってなに?
単純に音を遠くに飛ばしたいとか、パフォーマンスとして注目してほしいとか、好きなあの子に熱いメロディ(想い)を届けたいとかだよ。
最後のはいらなくない?
ベルアップは響きを広げたり、注目を浴びたりするためにつかう演奏スタイルです。楽譜に指定がある場合や指揮者が必要と感じた場面で繰り出す切り札的な奏法ですね。
①ベルの角度
②ベルを上げるタイミング
③ベルを下げるタイミング
上記3点をメンバーでしっかりと合わせて爽やかなベルアップをかましてやりましょう!
2.ベルアップの落とし穴
質問なんだけど、ルカちゃんはベルアップしててどんな感じ?
前から思ってたんだけどさ、ベルアップって喉が閉まって吹きにくいんだけど、あれで合ってるの?
合ってないよ。ベルアップの指示だけ出してそれでいい気になってる指導者ってたまにいるけど、そういうのは視覚の効果に頼ってるだけなんだ。ベルが上がったことで視覚がそこに集中して音がよく聴こえるようになった気がするけど、それはハッタリだよ。
やっぱりそうなんだ。。。上げる前よりしんどいから本当に音量上がったの?響きはよくなったの?って思ってたけど、やっぱり視覚による錯覚に頼ってるだけなんだね。
ま、時にはハッタリも大事だけど。
どっちだよ!!
そうそう、だからそんな落とし穴にはまらないためにも、視覚だけじゃない聴覚でも感じるベルアップを習得しなきゃね。ベルアップのレベルアップだね!
さぶっ
普段の状態からただベルを上げるだけでは喉が閉まってしまって吹きにくい姿勢になります。パフォーマンスという意味でただ注目を浴びたいだけならそれもアリかもしれません(それならスタンドプレーするよね)が、曲の中で効果的にベルアップを使う場合はしっかりと奏法を使い分ける意識をしなければなりません。
視覚に騙されて効果的なベルアップができている錯覚に陥らないよう気を付けましょう!
3.ベルアップの正しい知識/考え方
さっきも言ったけど、ただベルをあげるだけは御法度だよ。ベルアップっていうのはいつもの奏法の延長じゃなくて全く別の奏法と考えてみて。
全く別っていうのはつまり、いつもは歩いて登校してるけど今日はチャリ乗ってきました!みたいな?どうにか遅刻まぬがれました!みたいな?
(すっごい微妙な例え。。。)ま、まあそうだね。同じ「前に進む」でも全然やり方が違うよね。じゃあ具体的にはどうするの?って話だけど、ポイントは①姿勢②息遣い③意識の3点だよ。
しりとりだにゃ。
①姿勢は喉が閉まったり変に疲れることのないようにしよう。若干後ろにのけぞって喉の気道を守るとか足を広げてどっしり構えるとかやりようはいろいろあるんだけど、これはいろいろ試して自分に合うものを探してほしい!
②息遣いはブレスだね。通常時より自分のキャパシティが2倍くらいある気持ちになってしっかり吸い込むんだ。あとは勝手に出ていくよ。よく言われる例えに水を出すホースの話があるけど、ホースの太さが普段より太くなった感じだね。
③意識はずーっと遠くに向けるんだよ。ホールの壁を突き破ったり祭りを楽しむ人々の喧噪をかき消すイメージだね。好きな子が聴きに来てくれるときは後ろの方に座ってもらおうね。
最後のアドバイスはいらないわ。
ベルアップのポイントは
①姿勢 ②息遣い ③意識
を変えることです。最初はなかなか分からないけど、しっかりとベルアップを極めたら「あ~これがベルアップか!」と思うくらい普段との差をつけて演奏できるようになります。こういう奏法をきっちり身に付けるためにも普段から f や p での練習を根気よくしておきましょう。
4.おわりに
ベルアップってやってる側も見てる側も気持ちのいい奏法だよね。本当にしっかりしてるベルアップはCDで聴いてても「お?上げたな」って分かるからね。
そうなんだ。ベルアップでお客さんのハートを鷲掴みにするわ!
でもやり過ぎは禁物だよ。『これ見よがし感』が出るからね、ここぞという時だけやるのがポイントさ。じゃないとね、女の子にも嫌われちゃうから。。。これ見よがしなアピールは逆に引かれるから。。。うぅ。。。
話変わってるよ!
ただベルを上げるだけと侮るなかれ!カッコいいベルアップを身に付けてお客さんのハートを鷲掴みにしましょう。しっかり決まると迫力や音色で圧倒させることができます。無理のない姿勢で涼しい顔で爽やかにやってみたいですね。
ベルアップという切り札があるということは普段から全力で吹いていては体力がもちません。少し余裕のある演奏を心がけ、いろんな奏法に対応できるようにしましょう。