ト音記号とへ音記号がある理由
ルカちゃん、もしかして知らないの?プププ(笑)
笑ってないで教えてよ!
1.ト音記号とへ音記号をおさらい
ほい、じゃあまずはト音記号とへ音記号のおさらいをしておこうね。これ↓がト音記号。
そうそう。で、これ↓がヘ音記号だよね。
うん。実はト音記号とへ音記号のほかにハ音記号ってのもあるんだよ。で、これらの記号は音部記号って言うんだ。
おんぶきごう?
そう。五線上の位置と音の高さとの関係を指定するって役割があるんだ。
うーん。。。まだよくわかんない。
ト音記号やへ音記号のことは総称して音部記号(おんぶきごう)といいます。フルートやサックスはト音記号、チューバやトロンボーンはへ音記号という辺りからも高音楽器がト音記号で低音楽器がへ音記号というのは予想がつくでしょう。次の章で五線上の位置と音の高さとの関係を指定する役割の意味を詳しくご紹介します。
2.音の高さを指定する役割
ここからの説明は全部ピアノで考えてほしいんだけど、こんな↓楽譜があるとするじゃん。。ピアノの鍵盤のどこを弾く?
(あれ?音部記号がない。。。)この辺↓かな。
いや、この辺↓かもしれないよ?
そんなのわかんないじゃない!!どっちが正しいかなんてどこにも示してないわ。
まぁまぁムキになんないで(汗。ここでさっきの説明が生きてくるんだ。音部記号は五線上の位置と音の高さとの関係を指定するって言ったでしょ?だから音部記号がついてないと、今みたいに音の高さ(音域)がわからないんだ。今のは意地悪問題だね。
ムッ!嫌なヤツ!でも音部記号の役割が分かったわ!
音部記号がついているから音の高さが分かるのです。音部記号がないと奏者はどの音域で弾いたら/吹いたら/叩いたらいいか分からないという問題が生じます。だから音部記号のおかげでクラリネットはクラリネットが得意とする音域を、ユーフォはユーフォが得意とする音域を演奏するように楽譜に指定できるのです。
3.ト音記号とヘ音記号の境目はココ!
これで後輩ちゃんにちゃんと答えられるね。
そうだけど・・・ちょっと待って。まだ分かんないことがあるよ。音の高さを指定してるのはわかったけど、その高さはそれぞれどこを示してるの?ト音記号とへ音記号でかぶったりしないの?
いい質問だね。これはね、この↓図で一発解決だよ。
ト音記号の下のドとへ音記号の上のドは同じ音ってこと?
そうそう。つまり、この↓の2つの楽譜も同じ音域・同じ音ってことだよ。
なるほど!ト音記号だと読みにくいけどへ音記号だと読みやすいわ!奏者にとって演奏しやすいように音部記号が用意されてるのね。
だったらさ、↓このトランペットの楽譜とトロンボーンの楽譜は同じ音ってことでいいの?
ん~ところがどっこい。そこはYesとは言い切れないんだよね。ピアノだったらその通りなんだけど、トランペットとトロンボーンで比較するとまた別の事情を考慮しないといけないんだよ。
音楽って難しい。。。
ト音記号とへ音記号はそれぞれ五線からひとつ線を加えたところの「ド」が同じ音になるようになっています。だから途中にあったように、ト音記号の楽譜をヘ音記号で表すことも可能です。でもそんなの加線だらけになって読みにくいですよね。
だからそれぞれの楽器にあった音域でできるだけ五線内に収めて書けるように音部記号が存在しています。
4.おわりに
音部記号なんてぼくも現役のときはこんなに理解してなかったな。
あ!大事なこと忘れてる!どうしてバリトンサックスはト音記号なの?
いやね、ちゃんとヘ音記号の楽譜もあるにはあるんだけど、ト音記号の方が都合がいい理由があるんだよ。
あれ?ちゃんと教えてくれないんだ、ケチ。
音部記号、理解できましたでしょうか。分からなくても演奏してて困ることはないですけど、知ってたほうがいいですよね。音楽に詳しくなっていい演奏ができるように頑張ってください。