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ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より TP解説 その2

ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より のTPについて練習番号『E』と『G』前の解説をします。

解説その1はこちら!

解説の続きだよ。

早く始めましょう。

やる気満々だね

英雄だから!私がバンドのみんなを金賞に導くんだ!

1.E 曲全体のどの辺りか、誰からバトンをもらうか

冒頭~『A』に続いてトランペットが次に音があるのは『E』なんだけど、解説に入る前に全体のどの辺りか?ってことを頭に入れておこうね。

参考演奏では4:18のうち0:46で『E』に入るよ。

ってことは前半の中でも前半、まだまだ序盤だね。たぶん魔法使いにドラゴンを倒しに行くように唆されてるところだよ。

(そうかなぁ。。。)

じゃあ、まだ本気で吹かないで力を温存しておくことも考えて吹きたいね。

この『E』のパートは雰囲気が『D』から始まってるからその流れを守りつつ持続させていこう。

えーっと、サックスホルンから受け取るってこと?

そうそう。その2パートがトランペットに渡す緊張感を作ってくれてるから『F』を迎えるまではキープだよ!

アイアイサー!


『E』はまだ序盤なのであまり頑張らないでください。サックスとホルンが『D』から3連符の刻みをやっているので、それを受け取ります。このフレーズのキーワードは緊張感です。


2.E 緊張感を出しつつメロディをサポート

さっきも言ったようにここで大事にしてほしいのは緊張感だね。

曲聴いてたらそんな感じはするけどどうして緊張感を守らないといけないの?

んーとね、この曲に限らないんだけど、同じ音型が何度も続くというのは緊張感を出しやすい手法なんだよ。
例えばマーチだってチューバのブンブンとホルンのンパンパで行進しやすさがベースにあるでしょ?あれもある種の緊張感で、その上にメロディが乗っかって一つのフレーズが組み立てられてるんだ。

へ~。たまにはそれらしいこと言うのね。

たまにはって。。。ぼくだって言うときは言うよ!
ま、だからこのフレーズはふにゃふにゃと吹かないで厳格で厳かな雰囲気を醸し出してほしいんだ。この『E』においてそれができるのはトランペットと打楽器だからしっかりね。

あー!ちょっと分かったかも!だから「stacc.」って書いてるのね。スタッカート!

そうだね。あとはここって編成が薄いから1st,2nd,3rd各パート1本でいいよ。大勢で吹いたらメロディのトロンボーンを喰っちゃう恐れがある上に縦が揃わない/音程が合わない/バランスが取れないってリスクも高まるからね。

んー・・・。できたらみんなで吹きたいんだけど?

じゃあこういうのは?みんなでは吹かないけど、『L』でも同じことをやるから人を分けるっていうの。ここを各パート2本とかみんなで吹くのは僕は反対だな。

『L』もあるのね。それならいっか。みんなで練習できるし。

あ!でも『L』は編成が厚くなってるから注意してね!

ん~じゃあそっちはみんなで吹こうかな。ま、練習しながら調整してみるよ。


『D』からは少し冒険が険しく厳しくなってきた感じなんですかね。私の中ではモンスターとか現れだして苦戦してる様子です。
『E』なんか幼稚園児が「アカン!ホイミじゃ間に合わん!ベホイミや!」とか言うてる感じなんですが・・・はい、ドラクエですね(´・ω・`)実際はそんなのではないでしょうけれど。
『E』は各1本できっちり縦と音価(おんか:音の長さ)を合わせることを意識してください。4/4と3/4が交互に来てますが楽譜自体は難しくありません。
①アクセントの音はハッキリ強調すること
②ハーモニーを揃えること
この2点に注意してください。


3.G前 3rd 役割に沿った吹き方を意識して

さっきの『E』の3連符刻みは『F』でホルンに渡すんだけど、それはずっと続いてるんだよね。だから今度はトランペットがその緊張感に乗る番だよ。

ひゃっほい!!

あ!また3rdだけ違う動きしてるよ。

お!いいとこ気付くね。ここはそのことをちゃんと意識したほうがいいんだ。つまり1st,2ndと同じノリでは吹かないこと。音量も違うしね。

ほうほう。えーっと、ファゴットと、バスクラとバリトンとトロンボーンとユーフォが同じ動きしてるよ。

ね。3rdだけ低音の仲間入りだよ。やったね!

「やったね」なの・・・?

3rdだけ表現することの幅が広いんだからお得じゃん。

にゃぁー!んでんで?演奏上の注意は?

あ、うん。3rdに関してはさっき言ったパートと合わせてねってところで。
あ!ここってね、3rdの楽譜だけで見ると2・4拍目は4分音符で何も刻んでないんだけど、全体でみるとチューバやティンパニが・・・

あーなるほど。スコア見たら丸分かりだね。こっちが4分音符吹いてる間に向こうが3連符吹いてて全体を通してみるとずっと3連符のリズムはキープされ続けてるのね。

え!?ちょっと待って!ってことは・・・3rdは乗っからない・・・?

そうだよ。

ガーンΣ(゚д゚lll)ガーン


G前の2小節間、トランペットでは3rdだけ他のパートの動きをします。楽譜上ではクレシェンドのタイミングも違うので隣に座っててもつられないように気を付けてください。


4.G前 1st,2nd Gへの突破口。前半の頂点へ

はい、お次は1st,2ndだよ。

パッパパー♪パッパパーーラーー♪♪

そうだね。これはトランペットの1st,2nd以外やってない動きだからしっかり頭ひとつ出して吹こうね。あ、ちゃんとそう書いてあるね。

ん?もしかして「en dehors(アン ドオール)」ってやつ?

うん。『少し際立たせて』って意味みたいだよ。

あ、2拍目にホルンが掛け合いをしてるね。クレシェンドのタイミングも一緒だよ。

そうだね、『G』は音量記号がフォルティッシモだから音楽が綺麗に拡大していくように意識してね。1st,2ndがバンドみんなを『G』に導くんだよ。

ってことは『G』に入るところでブレスしない方がいい?

まーそうだね。間が空くと不自然だからカンニングブレスをとるかブレスをとっても一瞬にして違和感がないようにしたいね。

ここ、みんなで頑張ってる感じがして好きだなぁ。


『G』の前からだんだん音楽が楽しくなってきます。バンド全体をリードする役割を意識して『G』へスマートにつなげましょう。ここも全力で吹いてはいけません。前半なら『G』ですし、終盤なら『Q』が最も熱くなるところですから、まだまだ広がりの余地を残しつつ前進して下さい。


5.おわりに

『E』と『G』の前を解説したよ。どうだった?

早く『G』に進みたいよ!『G』が楽しいんだから!

まぁまぁ焦らないで。その気持ちはぼくも同じだよ。でも一番は『P』の2小節前だよ。これを吹ける人は幸せ者だなぁ。あー早く次にいこう!

いくぜいくぜ~!yeah~!


『E』と『G』前を解説しました。どちらも3連符がずっとベースにありますね。リズムとテンポを守って自分の役割を大事にしてください。

続きはこちら!


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