課題曲が決定するまでの流れ
※課題曲には朝日作曲賞と全日本吹奏楽連盟作曲コンクールがありますが、この記事では前者に絞って解説します。
この記事は2016/3/1時点の情報です。

ルカちゃんさ、課題曲ってどうやって決まってるか知ってる?

ん?知らないけど・・・吹奏楽連盟の偉そうなオジちゃんたちが決めてるとかじゃないの?

偉そうなおじちゃんて。。。そういうのちゃんと知っとこうよ!実はルカちゃんでも課題曲の作曲者になれるんだよ!!

ええええ!?!?どういうことぉ!?
1.公募要項の発表 報酬・ルール

12月ごろに全日本吹奏楽連盟、略して全吹連から課題曲の公募要項が発表されるんだ。

それってどんな内容なの?

うーん。いろいろあるんだけどざっくりまとめるとこんな↓の。
- 初心者でも演奏できて、親しみやすいメロディにしてね。
- 難しい音域・奏法・パッセージはやめてね。
- どこにも発表したことのない曲にしてね。
- 演奏時間は3~4分だよ。
- 編成はこっちで決めてるからそれに従ってね。
- 応募は一人一点だよ。
- ↑これらに準じてなかったら審査しないかもよ。
- 応募料、1万もらうぜ。(第26回朝日作曲賞から)

なんかいろいろあるー!!ちゃんと中学生とか楽器始めたばかりの人にも配慮した要項になってるのね。

うん。それにしては「マジすか?」な曲もあるように思うけどね。

そういえば報酬が出るんだって?

そうなんだよ。朝日作曲賞なら100万円。入選なら50万円だよ。

ひゃっほぉぉおおおおおい!!私!応募する!!
吹奏楽コンクールの課題曲は一般人への公募で集まった作品から選ばれます。これとは別にプロの作曲家に委嘱する枠もあります。
一般人の応募がOKということですから、音楽に精通した人の作品が選ばれることもあればアマチュア作曲家(趣味でやってるような人)の作品が選ばれることもありますし、過去には高校生の作品が選ばれたこともあります。
委嘱枠は隔年でしたが、2018年度以降は毎年1曲は委嘱することが決まっています。(会報吹奏楽2016.1 p.14)
2.公募締め切り

公募要項の発表があったら世の応募者はみんないそいそと曲をしたため始めるんだね。

みんな要項が出てから作り出すの?

ん~実はぼく一度だけ出したことあるんだけどその辺の事情はきっと人それぞれだよ。2ちゃんとか見てたけど日頃からメロディはストックしてあってそれを基に作り出す人や1から作り出す人、ギリギリになって着手する人など様々だよ。

へぇ~。なんだかすごいね。みんな関心あるんだ。そういや、締め切りはいつなの?

年によって誤差はあるけどだいたい4月の頭だね。

ほう。何人くらいが応募するの?

ん~とね、これは公表されないんだけど、分かってる範囲でいうと2006年度課題曲は101人の応募、2011年度課題曲は171人の応募だったよ。

この辺の推移は知りたいなぁ。。。
要項発表の次は応募締切です。2006年度課題曲の101人というのはバンドジャーナル2006年5月号の情報、2011年度のは私が応募した年で落選通知に記載されていた情報です(ちなみにその年、2次審査へは7作品が通過)
次はいよいよ審査です!
3.1次・2次・3次審査

締め切られたらあとは審査だね。これ、全部非公開でされるから全然情報がないんだ。

まぁそりゃ公開するわけにはいかないよね。だったらなにも情報をお届けできない・・・と?

だね。これ↓読んでみて。
(1)第1次審査 フルスコアによる審査
①結果は、郵送で4月上旬に通知する。
②通過者は、CDプレーヤーで再生できるCD-RのMIDI音源を提出すること。提出期限は4月11日の予定。
(2)第2次審査 フルスコアとMIDI音源を用いた審査
①結果は、郵送で4月末に通知する。
②通過者は、フルスコアと思想用パート譜を提出すること。提出期限は5月下旬の予定。
(3)第3次審査 試奏による審査
※いずれも非公開とする。 引用元:公募要項(第27回朝日作曲賞)

一次審査ってフルスコアを見るだけの審査なの?

そうみたいだね。僕たちには分かんないけど、音楽に精通してる人は譜面を見ただけで(音を聴かなくても)曲の良し悪しが分かるんだろうよ( 一一)

すごおおーい!

この感じだと4月末にはかなり絞られてるみたいだね。

ねー。私たちが今年の課題曲に取り組みだした頃にもう来年の課題曲の話が進んでるんだね。
審査の過程は非公開なので正直よくわかりません。昔は応募の際、フルスコアのほかに簡素にまとめたピアノ譜も必要でした。これが結構応募する人を困らせていたようなので、なくなってよかったです・・・!私はもう応募しそうにないけど。。。
4.おわりに

一回応募したことあるって言ってたじゃん?もうしないの?

しないだろうね。そんときに思ったのって「作曲ってめっちゃむずいやん!正直舐めてたわ。。。ペロペロ」なんだよ。

ペロペロは要らないよ。そうなんだ。それに全国の子どもから大人が演奏するってことを考えたらうかつには出せないね。

そこは難しいところでね、応募する側は自由だけど選定をする連盟の方たちはしっかりしないといけないと思う。その辺りは結構問題を巻き起こしてて、課題曲の質向上をみんなが意識していかないといけないね。

なんか急に難しくなった。。。
課題曲は
①全吹連が公募の発表
②一般人が応募
③締め切り
④審査
⑤決定
の流れで決まります。みなさんも応募は出来ますので、そういう目で過去の課題曲を聴いてみるとまた違った感じ方ができます。似た曲が多いとか、このタイプの曲は最近出てないとか。
用意された課題曲をただ演奏するだけじゃなく評論したり疑ってみる(課題曲としていいのかどうか)と世界が広がって面白いです。