課題曲を選ぶときの基準・指標
ルカちゃん、今年の課題曲どれにするの?
ん?好きな奴を選ぶよ。それがいいって教えてくれたじゃん。
あー・・・うん。そうは言ったけどさ、もう少し冷静に選んでみるのもいいかなぁって。そういうの説明しようかと思って。
ふーん。(好きな曲で悔いのないようにって言ってたクセに)
1.直感
次章以降で紹介するような判断基準ももちろんあるんだけど、まずは部員と先生みんなの感情だよね。直感に聞いてみて!
最初にピン!ときたやつね!!今年だったら・・・Ⅲかなぁ。。。かっこいいし。英雄だし。
これからみんなの実力や傾向と相談していく中で「好き」っていうのも大事な要素だから何度か聴いて演奏する中でまずはその答えを出してみてよ。
わかりやした!
選択する課題曲の中でどの曲に最も好感をもっているか?直感的にコンクールの舞台で吹いてみたいと思うのはどれ?というところをまずは出してみましょう。
何回か聴いて、楽譜を見てみて、音も出してみたらひとまず暫定でやりたいものを決めてみて、次行ってみましょー!
2.自分のバンドに合っているか
ここからが大事なんだよ。最終的には自分たちに合った課題曲を選ぼうね。
自分たちに合った?何をもって『自分たちに合った』なの?
そうだねぇ。。。ザックリしたところでいうとルカちゃんのバンドは木管と金管、どっちのレベルが高いの?
え?正直知らないなぁ。。。金管は上手いとは言えないけど、木管と比べてどうかって言われてもなぁ。。。
だったらさ、ルカちゃんたちはアップテンポでノリノリな曲かバラードや情緒を歌い上げる曲だったらどっちが得意?
そんな急にいろいろ質問されても分かんないよ!!
だったらまずはこれまでの先輩たちのコンクールや自分たちの演奏を振り返るところから始めるのがいいね。ルカちゃんのバンドにはどんな曲がお似合いか?っていうのが必ずあるからさ、それに合致する課題曲を選択するって言う方法もあるんだよ。
なるほどなぁ。。。そんな風に考えたことなかったよ。ちなみに得意分野とかあるの?
そうだなぁ。。。ぼくは綺麗なお姉さんを連想させる曲調なら何でも来いって感じだけど。
そんな曲やったことないでしょ!
木管が活躍する方がいい?それとも金管?平等?どんな曲が向いてる?どんな曲なら曲の良さ・あなたのバンドの良さを生かせる?というような視点から自分たちのバンドのカラーを把握しておきましょう。
日ごろからそういうことができていれば課題曲と出会ったときにより明確にコンクールの舞台で演奏してる姿がイメージできるでしょうし、練習も捗ると思います。
曲を好みで捉えていたときは感情メインでしたが理屈的な観点からも分析してあなたのバンドにお似合いの課題曲を選びましょう。上位大会への進出を考えている場合、とても大切な視点です。
3.自由曲との兼ね合い
最後はこれ!コンクールで演奏するのは(部門にもよるけど)課題曲だけじゃないよね。ルカちゃん、コンサートで似たような曲ばかり演奏する団体があったらどう思うよ?
そりゃあつまんないよ。もっといろんなの聴きたいなって思うよ。
ということは・・・?
コンクールでも曲のタイプが被らないようにする・・・ってこと?
そうだね。お客さんも大事だけどみんなだって課題曲と自由曲が同じような曲だったら嫌になっちゃうでしょ。
たしかに!!ながーい時間向き合う2曲だから違った趣のある曲にしたいね!
今年だったら
課:Ⅱスペインの市場で
自:スペイン狂詩曲
の組み合わせでいったら「スペイン同好会か!」って審査用紙に書かれ兼ねないよ。
いや書かれないと思うけど。。。それにスペインに浸るのも悪くないような。。。
あと大事なのは時間だね。仮に自由曲が8分あるとしたら課題曲の時間はかなりシビアになるよ。課題曲・自由曲のどちらを先に決定するかというのにもよるけど、これは慎重に考えないといけない。下手したらめっちゃハイテンポで演奏する羽目になるからね。
そうならないように調整して選ぶんでしょ!
自由曲との兼ね合いも考慮しましょう。客側からすると課題/自由曲が似たようなものでもまぁ気になりませんが、練習をする立場になるとなかなかキツイものがあります。長く取り組むことを考えて飽きの来ない、気分を変えて練習できる曲がいいですね。
あとは時間も大事です。12分に収めるために無理なテンポ設定になることのないように、どちらも気分よく演奏できるような選択をしてください。
4.おわりに
課題曲を選ぶ視点や基準を出してみたけど、どう?ルカちゃん。
なんだか考えることがいっぱいだね。
だね。ま、気持ちよくコンクールが終えられるようにいい選択をしてよ。どうせ夏で終わるんでしょ?
うるさいよ!秋までいくよ!
課題曲を選ぶときは・・・
・直感
・自バンドの適正
・自由曲との兼ね合い
を考慮してみてください!好きな曲をやるというのが大事かと思いますが、「好きなだけじゃ代表にはなれない!」とか「あえて不得手なジャンルに挑みたい!」などなどあるでしょうから、いろんな視点で選択するときの参考にしてください。あなたのひと夏がいい思い出になりますように・・・。