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コンクール嫌いの人がいる理由

読了:約3分

対象:コンクールの温度差に悩んでる方、コンクール嫌いの方

部員が大勢いたら夏に行われる吹奏楽コンクールが嫌いだったり、その練習に対するモチベーションがあまり高くない人もいるかと思います。私のときも無頓着な人はいました。コンクールに向けて燃える人からするとその温度差は困るでしょうからコンクール嫌いの人がいる理由を解説します。少しでも温度差をなくしたり互いを理解する助けになるとイイですね。

うーん。。。

どったの?

吹奏楽コンクールがあまり好きじゃないって子が部内にいるんだけど、なんでなんだろうと思ってさ。年に一回なんだからやれるだけやって燃え尽きたらいいのに。

わー!ナイス導入!

メタ発言しない!

コンクールに価値を感じない

吹奏楽部の人たちってさ、みんな一様に楽器を練習して舞台の上で披露するけど腹の中で何を思ってるかは人それぞれ結構差があるんだよ。知ってた?

腹の中って・・・何を想いながら日々活動してるかって話でしょ?上手くなりたいんじゃないの?

そうだけど、どこに価値を置いているかだよ。ざっくり分けただけでも↓こういうのがあるんだな。

  • みんなと演奏できること
  • ソロの瞬間や自分の晴れ舞台のとき
  • 部活熱心の友達/先輩の力になれること
  • 自分たちの演奏でお客さんの笑顔が見られること
  • 他人どうこうよりも音楽に打ち込めること
  • コンクールやコンテストで上位に昇り詰めること

ほぅ。なるほどね。

で、これらをコンクールにあてはめた時にあまり大事じゃないものに価値を置いてる人はコンクールって大イベント自体あまりピンとこないんだよね。

なるほど・・・!コンクールよりコンサートの方が断然イイ!って子がいるけど、『みんなと演奏できること』が大事なのね。別にコンクールである必要はないじゃん、って言い分かな。

だろうね。その中でも『お客さんを楽しませたい』って気持ちが強いとコンクールなんか全然ピンと来ないね。

確かに!その子全員で合奏するのが好きらしいから人数が限られちゃうコンクールは嫌なんだろうね。

うんうん、その説は濃厚だね。豚骨ラーメンだね。

何言ってんの?

吹奏楽コンクールが楽しくない人は日々の活動の中でも楽しいと感じるポイントがそこじゃないという状態だとお見受けします。私が高校の頃にもいましたが、オーディションやコンクールのような競い合うことが嫌いでみんなでワイワイやることに喜びや価値を感じてるようでした。
そういう人も足並み揃えてやろうとするならコンクールの練習でも何か楽しい要素を盛り込んだり結果にこだわらないで取り組んだり、上を目指す場合はメンバーから外すという工夫が必要になりそうですね。

コンクールのシステムが嫌

コンクールに価値を感じないって人の次はコンクールのシステムに納得できないって人のケースだよ。佐渡裕さんって知ってる?

さどゆたかんさん?えーっと、たしか少し前まで『題名のない音楽界』の司会してた人だっけ?

そうそう!ルカちゃん知らないかもだけどすっごい人なんだよ!でね、この人の僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)って本にこの人のコンクール嫌いの理由が載ってたからそれを紹介するよ。

僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)よりp.144

もともと僕は、コンクールやオーディションなど、人が長い間してきたことに、短い時間で合否を出したり順位をつけたりするようなことが大嫌いであった。そこに秘めた演奏者の愛情や苦労をまるで無視し、結果だけが重要だとでも言うかのようなことは特に音楽の分野では、まるで意味がないとしか思えないからだ。

はーなるほどねぇ。。。正直、こういう考え方はなかったよ。コンクールってそういうものなんだって思い込んでたからね。

うん、僕もルカちゃんみたいに思ってたから新鮮だったんだけど、よくよく考えたらこれも言い分としては正論だよ。

あんなに頑張ってきたのにたったの12分だもんね。

吹奏楽コンクールは何百時間とした練習に対したった12分の本番というルールでもう何十年も定着していますから疑問には思いませんでしたが、たしかに理不尽というか厳しいというか、こういう意見を聞くとハッとさせられるものがありますね。『コンクール』というビッグイベントが用意されてるから毎年当たり前のように出場しますが、後輩やそのまた後輩の為にも日本全体の音楽が良き方向に導かれるためにも疑問を感じたら声を上げていくことが大切なのかもしれません。

佐渡裕さんのエピソード

さっきの佐渡さんもね、京都のとある女子高の吹奏楽部に指揮を振ってコンクールに出たことがあるんだよ。前出の本にそのエピソードが載ってたから紹介するよ。
ただ、このコンクールがみんなの思うあの夏の吹奏楽コンクールとは明記してないからそこは注意してね。

僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)よりp.144~147

大学生のとき、京都のある女子高校で、吹奏楽部の講師のアルバイトをしたことがあった。(中略)部員も中学生と高校生が一緒で、言ってみればお遊び的なサークルである。(中略)そんな吹奏楽部だったから、初めのうちは僕も適当に活動に参加していたのだが、彼女たちはヘタなせいか、練習中はしんみりとして、やけにおとなしい。ところが、終ったとたん、これが同じ人間かと思えるほどパワフルなエネルギーを発揮して元気になる。
 そのパワーを見て、ふと「鍛えたら素晴らしい吹奏楽部になるかもしれない」と思いつき、コンクールに出場させることに決めた。

おー!これは面白い流れになってきたよ。大学生の時とはいえあの佐渡さんでしょ!?早く続きを紹介しなさいよ!

うん、この後はみんなめっちゃ頑張ったって件なんだけど趣旨と外れるから佐渡さんのコンクール嫌いを際立てたところからね。

(中略)そして、いよいよ迎えた当日、素晴らしい演奏を彼女たちは披露した。終った瞬間、場内からは拍手ではなく、「ウォォォー」というもの凄い大きなどよめきが起こった。
 それもそのはずである。これまで名前すら聞いたこともないような女子高が、楽器の構える角度をピシッと決めて、難しい曲を完璧に演奏してのけたのだから。関西大会で連続優勝している名門天理高校の部長を務めていた僕の先輩も、「全国でも通用する」と太鼓判を押してくれ、僕もそれを信じていた。

ここからだよ~。ここからがおもしろいんだよ~。

そういうのいらないから!早くして!

 ところが、結果は意外にも何十団体の中でも最下位の銅賞だった。
 審査員から、「これはコンクールです。ですから、まとまっている団体、きっちり演奏した団体、大きな音よりきれいな音を出した団体が評価されます」との話があった。審査員といっても、肩書ばかりがいろいろいついている教育関係者がほとんどで、音楽に関してはまったくの門外漢と言っていい。
 しかし、教育という点から見たとしても、それまでほとんど技術のなかった彼女たちが、どれだけの努力をしてここまでたどり着いたのかということを評価するのが本当ではないか。

ぎぇ~。。。何よそれ。いい演奏なのに評価されないなんて。で

で?このあと佐渡さんは引き下がったの?

いや、表彰式の後に審査員の控室にいって暴れまわったって書いてるよ。

それホントなの!?盛ってない?

ん~暴れまわったは言い過ぎだけどこう↓書いてる。

僕は、音楽に対する彼らのあまりの意識の低さにカーッとなり、審査員の顔めがけ、カバンを投げつけてしまった。控室の中は大混乱状態である。
(中略)日本のクラシックの世界には、そうした審査員や批評家たちが数限りなくいるのだ。ぼくにとってはたまらなく退屈なものに対して百点を与える人たちばかりなのである。
(中略)いまだに、コンクール嫌いなのは、このときの経験が強烈に残っているからである。

この件で佐渡さんはこの女子高の講師を辞めることになったんだ。残念だったね。

残念だったけど立派だよ。そうまでしてその子たちの演奏を評価してほしかったってことだもんね。

ってか、アンタが言ってる「残念」は違う意味でしょ!

審査員にもいろんな人がいますから、審査の指針や音楽のあるべき姿がぶれることなくコンクールが行われるといいですね。それとやはり指揮者という人はこれくらい部員と作り上げた演奏に自信を持ってくれているとやはり楽しいと思います。(審査員にカバンを投げつけるほどはしなくていいですが(^-^;)

おわりに

毎年金賞目指して必死になってたけどコンクールを良しとしない人の気持ちもちょっと分かるね。

そうだね。まっ私は好きだからいいけどさ。やっぱりみんなで一つの目標に向かって熱中するってそれだけで楽しいよ。

うんうん。『響け!ユーフォニウム』ってアニメ化したやつあるじゃん?あれ見てるとすごいコンクールやりたくなるんだ。

影響されやすいのね。

コンクール好きの人もコンクール嫌いの人も一緒に出るからにはいい思い出にしたいですね!結果を気にしないでとにかくがむしゃらにいい演奏を目指せばそれはきっとお客さんにも届きます。下手なのに楽し気な演奏ってたまにありますけど、きっとそういう演奏が出来る団体さんは日々の練習も楽しいのだと思います。
回数の限られたひと夏の青春ですから、悔いのないようにやってください!

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