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アトピーと吃音の二重苦を知ってみませんか

ぼくは子どものころからアトピーであり吃音でした。

アトピーに関しては小学生高学年くらいから本格的に苦しみはじめました。 吃音の方は幼いころからあったらしいですが、自覚したのは中学卒業頃です。

この二重苦の苦しみとかあるあるとか、エピソードがあるので紹介します。 同じ苦しみの方の心が少しでも晴れたらと。

今日は吃音とアトピーのお話です!

私もそういう人を困らせないような振る舞いがしたいな!

1.それぞれの辛さと二重苦の辛さ

まず、二重苦の前にアトピーと吃音それぞれ単独の症状について説明します。

1-1.アトピーはとにかく痒い!皮膚を向いたり落ちたりもキツイ!

アトピー自体はかなりメジャーなので、本人がそうでなくても見たことがあるという人はとても多いと思います。症状が出る場所にもよりますが、どこであれとにかく痒い!これにつきます。

僕の場合は子どものころは主に手の指でした。あとは腕やひじ、ひざ裏の関節が痒いことが多かったですね。高校生から頭と顔、胴体が追加になりました。これは相当に辛かったです。

かゆみそのものもですが、掻いた結果皮膚が床に落ちること、それを周りからみられることが嫌でした。頭皮は特にフケとなって服にもつきますし、少し髪をかき上げる程度でも「ファサッ」っと散ってしまう状態でした。

顔が赤くなるのもとても嫌でしたね。ぼくは「赤パンダ状態」って呼んでるんですけど、全体が赤くなって目の周りや鼻だけ通常の色だったりすると外に出たくなくなります。

1-2.吃音は言葉が出てこない。決まった言葉を言う場面が怖い

吃音症(きつおんしょう)という言葉の知名度はどの程度でしょうか。福山雅治主演のフジテレビ月9ドラマ『ラヴソング』で取り上げられたのでそれをきっかけに知った方もいるかもしれません。

調べてると幼いころの成長・発達過程でなる人もいるみたいですが、だいたいは治っていくみたいです。

ぼくの場合はあ段、あ行、は行の文字から始まる言葉が特に詰まります。これを言わねばならない場面に出くわすともう言う前から心臓がバクバクしているのが分かります。

ひとつ断っておくととっさに出る「ありがとう」とかはいいんですよ。でも仕事から帰る際の「お疲れ様です」とかさあ言うぞ!っていうときは本当に無理。

上記のほかにもさ行、た行、や行から始まる言葉も苦手です。まぁ言い出したら全部苦手なんだけど。。。

1-3.二重苦ならではの辛さ

アトピーと吃音が二重苦で襲ってくるときっていうのはだいたいが併発するときですよね。 昔、郵便局に80円切手買いに行ったことがあるんですけど、

「すいません。は、は、は・・・(あ、やっべ「八十円切手ください」って言えねぇ、、)」

ってなってるとだんだん汗かいて来て、汗をかくというのはイコール体が痒くなるを意味するのでアトピースイッチどかーんです。

あともうひとつ、二重苦ではないけどぼくに決定的に「吃音=恥」の式を植え付けた出来事があるので紹介させてください。

高校のとき、ある日の国語の授業で当てられたんですけど、「藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)」と答えなければならない問いでした。

それに答えようとすると

「ふ、ふ、ふ、ふ、ふ、・・・」

ってなって、結果10回くらい「ふ」を繰り返しました。最後どうにか「じ」を捻りだして答えられたけどそれだけで心は憔悴しきっていました。

それだけでも辛かった。

なのにさらに追い打ちをかける出来事がおきました。隣の席の女子が笑ってるんですよ。

なに今の「ふ、ふ、ふ」って~(笑)

って。

これが自分的には相当に恥でした。もう嫌だ!って思いました。

でもそのあとは先生も察したのか国語の授業では当てられることがなくなりました。ただ、これのおかげで他の授業で当てられそうになったら心臓バックバクになることが増えました。

そのあとも症状が治まることはなく、実際大学生のころはアトピーと吃音のおかげでなんにも希望を見いだせず部屋に引きこもってる時間が長かったです。精神科にもいきました。

あ、あと、アトピーと吃音を患うものとして特に困ると感じていたのが

皮膚科」が言えない!

ってことなんです。あ段、あ行、は行が苦手って言いましたけど、全部この中の文字で構成されてますからね。「皮膚科」って言おうものなら「ひ、ひ、ふー」って妊婦さんみたいになります。このワード、たまに言う機会があるからビクビクです。

2.ユニクロ事件

ある日ユニクロでジーンズを買ったんですけど、あそこって会計を済ませてから裾直しをしてもらうので、一旦商品を預けておく時間というのが発生するんですよね。

で、お会計の時に思ってもない事態が起こりました。

「お客様のお名前を教えていただけますか?」

はぅ!?

「た、た、た、た」・・・てなりました。
(↑仮名ね)

もー言えん!ってなった自分の口から出た言葉はまさかの偽名でした。
(本名が田所(たどころ)だとしたら反道(たんどう)って言っちゃった、みたいなこと)

吃音であるがゆえに自分のことを自分じゃない名で名乗る・・・。 こんな悲しいことがありましょうか。ただあの場で名乗るのはあくまで記号のようなものなので神経質になる必要もないのかな、と思います(思いたい)。

これってあるあるじゃないんかな。

ジーンズは手に入りましたが心境は複雑でしたね。

それからまたしばらくしてジーンズを買いに行く機会があったので、今度は覚悟していました。

すると、ななななんと!!

お客さんに書いてもらうというスタイルに変わっていました。

ぶっちゃけユニクロをこういう風に変えたきっかけってぼくだと思ってます

おれの勇気でまた世界が吃音者に対して優しくなった・・・!

いや結果論じゃん!勇気て。

3.吃音による不毛な残業

上の方で「お疲れ様です」が苦手って言いました。
コンディションによって口に出す前からスッと言えるかどうかが分かるということがあります。

前に勤めてた会社では帰り際、まあまあ静寂の中に「お疲れ様です」っていうんですけど(どこもそうだと思います)これが今は言えない!という理由で延々と残業してたこともあります。

なぜなら恥をかくならより少ない人数の前にしたいから。

人が帰っていくのを待って少なくなってから「お疲れ様です」と言って帰りました。時によってスッといえるときと「お、お、お、」ってなるときと様々でした。

先輩の中で「お疲れ様です」を言う時「すみません、お疲れ様です」という人がいたので、「これは使える!」と思って、使うようにしました。「す」から入ればまだマシでした。

4.アトピーがかなり収まった理由

アトピーは中学、高校、大学と満遍なく苦しみました。
社会に出てからも痒みが治まることはありませんでしたが、ある治療を試みたことでだいぶ緩和されました。

その治療は漢方薬です。

保険の適用範囲内のよく出回ってるものではないです。

漢方を扱っている診療所に行き、出してもらいました。それを3年半くらい飲みましたかね。金額で言うと年間50万くらいです。お医者さんに「もう大丈夫」とは言われてないけど、経済的にきつ過ぎてやめてしまいました。

アトピーの辛さに付け込んで意味不明な商品をPRする業者もいるようです。1万くらいするクリーム買ったことありましたけど、全然効きませんでした。ダチョウの成分がどうとかこうとか。。。

5.吃音が治まった理由は分からない

今は吃音はかなり治まりました。たまに「お疲れ様です」がスッと出てこないときはあるけど、一時のことをおもうとかなりマシです。仕事でも電話できています。

それにしても美容院への電話予約とか外食での注文のシーンは本当に辛かったですね。 電話口でどもるときは本当に焦ります。声だけのコミュニケーションだから表情や身振り手振りも伝わらないし。泣

もっと言うと、学生のころなんか電話予約が嫌すぎて髪は自分で切ってました。当然美容・散髪のテクニックなんて一切持ち合わせてないから群がすごくてダッサダサですわ。大学生というカッコつけたい時分なのに。

これ、吃音じゃない人はいまいちイメージできないかもしれませんけど、吃音がひどい時でもしゃべるときは割と喋ってました。と言うのもだんだん「言い換えのテクニック」を身に着けてくるんですよね。あとは、自分が上手に話せるパターンが分かってきたり。

ぼくの場合、言葉の2文字目が「ん」と「-(伸ばし棒)」だったら案外喋れます。最初の喋りだしがうまくいけばあとはスルスルスルっと流れに乗って喋れます。(途中で詰まることもよくあるけどね。)

6.おわりに

吃音に克服方法とかがあるのかどうかは分からないけど、ひとつ大きな要素として結局「自分がどう思ってるか」なんだと思います。

大人になってからよくどもる人と出会ったことがありますが、周りの人もそれを笑うでもなく「そういう人なんだ」というあくまで個性のひとつとして受け止めているような感じでした。

世の中にはいろんな人がいて、吃音ではなくても他人には理解されにくい症状で苦しんでいる人もいます。その辺り、なんとなくでも理解しながら生きていけると本人も周りも幸せなのかなと思います。

自分の名前を言うシーンは今でもドキドキするけど、それも自分の個性として自分自身が受け止められるようになりたいです。

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